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『空中要塞アルストグラン』大改訂がひとまず終了しました、という話

 先日、KDP撤退からの大改訂のお知らせをしましたが。ひとまず旧三部作の大改訂が終わったので、ここでご報告させていただきます。

 現在は「このまま勢いに乗って、続きの分も改訂してまえー!」という感じで、「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ(以下、WUtB」の改訂作業も終わり、「アンセム・フォー・ラムズ(以下、AfL」のほうのテコ入れに移ったところ。旧三部作どころか過去作全部に修正を入れることとなった。

 WUtBもAfLも、また後日にサイト版の内容を入れ替える予定です。ただ、こっちは旧三部作ほど内容は変わってないかな。

 しかし……――改訂作業とは不思議なもので。何度見直しても、誤字脱字や誤変換、言葉選びのミスがいっぱい出てくる。悲しい。

 そんなこんなで、そこそこ内容が変わったので。主要な変更点を上げていきます。

(以下「EQPのセオリー」→「EQP」、「ヒューマンエラー」→「HE」、「ディープ・スロート//スローター」→「DT//S」と表記します)

もはや忘れていた設定や、いつの間にか変わってたものがあった

 「HE」を見直しててビックリしたことがある。忘れてた&いつの間にか変更されてた設定のオンパレードだったんだ。

 たとえば、アイリーンっていう登場人物。AfL執筆してるときには、彼女の経歴って「非行少女だった時代にジャスパー・ルウェリンという人物にスカウトされて闇社会入り」という風になってたんですけど。HE時点での設定は、どうやら「国軍のシステムにハッキングを仕掛けて諜報機関に逮捕されたものの、能力を国の為に役立てると誓うことで見逃してもらった」という風になっていたようだ。

 ジャスパー。彼女の存在が、あの時点ではなかったようだ……(尚、ジャスパーは長らく名前だけの人物でしたが。新作「ジェットブラック・ジグ(以下、JJ」にて、やっと本人が出てきます)。

https://isuzuakatsukiposttruth.tumblr.com/post/698541999269232640/%E3%82%89%E3%81%8F%E3%81%8C%E3%81%8D%E3%83%BC%E3%83%BC-%E6%96%B0%E5%85%A5%E3%82%8A%E3%81%AB%E8%88%88%E5%91%B3%E6%B4%A5%E3%80%85%E3%81%AA%E5%8F%A4%E6%A0%AA%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%A8%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E6%96%B0%E5%8F%82%E8%80%85%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%9B%B3

(イラスト中央、ビーチサンダルの人物がジャスパーである)

 あと、ド忘れしていた設定のひとつに「マーリン」っていうものがありました。これはHEを書いていた当時、どうも「エズラ・ホフマン/マイケル・バートン等と名乗る元老院の一柱」のことを指していたようなんだけど。完全に忘れてましたね。なので整合性を優先し、この設定は消しました。

 それから、HE時点でのケイじいさん(※まだ作中に書いてないけど。ケイは「K」で、ケイじいさん=「Big K」です。実はKayでもCeiでもない。本名がケネスで、ケイってのはイニシャルである)の扱い。当時、あんまりケイの設定を詰めてなかったことが一番大きいんでしょう。そのせいかHEの中では「なんも知らねぇジイさん」みたいな扱いになってた。アーサーがケイに何かを教えてるシーンがあって、それを見返したときは「えっ、嘘だろ……?!」と思っちまった。いや、書いたの自分だけど。

 現在、JJの中で「アーサーとケイのバチバチな関係性」を書いているのですが。JJの中での彼らの関係性って「後輩アーサーをイビりながら、業界のイロハを教えてあげる先輩ケイ」および「先輩ケイのことを『ウザ絡みを仕掛けてくる近所のクソわずらわしい大型犬みたいなウザいやつ』としか思っていない後輩アーサー」という感じ。教える側なのはケイじいさんであって、アーサーじゃない。つまり矛盾が生じてる。

 なので「なんも知らねぇケイじいさん」のシーンは「アーサーを揶揄するケイじいさん」にすり替えました。んで、アーサーの親切丁寧解説タイムをカットした代わりに、アーサーの複雑な脳内開示タイムを挿入。これによって、DT//Sで暴挙がなぜ起こるのかという理由がちょっと分かるかなって。そう作り替えました。

 そして、めちゃくちゃ大事なものが一件。それが「オウェイン計画」っていうもの。これは「神ノ禍」から始まり、段階的にJJの軸で扱われ始めているもの……――というのが近年の認識だったのだけど。どうも違ったらしい。EQPの時点で名前が存在していた。ただ、中身がJJの軸で取り扱っているそれと違う……!!

 というわけで、旧版の中で扱われていた「オウェイン計画」という名前は、新たに付けた名前「イェラ実験」に変更されました。これ、地味に大きな変更です。

 多分これは今後の話、主に「エールケディスの旅人」のほうに響いてくるかもしれない。やばい。ゲームの内容、大丈夫かな……あぁぁっ!!

モブキャラの名前が一部変わったよ

 まあ、大して重要なことでもないけど。モブキャラの一部に名前の変更があったので、報せておきます。

 まず、ラーナー家5兄弟の次男の名前。かつてこれは「モーガン」だったけど、そうすると別の人物「マダム・モーガン」と被ってややこしくなる。ので、彼の名前は「マーティン」に変わりました。まあ、変わったところで本人が作中に登場することはないので、特に問題はないのだけれどね。

 ラーナー家5兄弟で出てくるのは、長男マイケル・ラーナー三女ミランダ・ジェーン、そして末弟パトリック・ラーナーの三名だけなので。次男マーティンと四男スペンサーは空気みたいなもんだから。まあ、作中への影響なんてほぼないんですが。

 次に変わったのがDT//Sに出てくる「ジェイコヴ」さん。ジェイコヴさん、改定前は姓が「ラジニーシ」だったんだけど。改定後は「パテル」に変わりました。ジェイコヴ・パテルです。彼、名前の出現率が地味に高く、変更箇所が多くて面倒だった……。

 んで、姓を変更した理由ですが。まあ、ラジニーシという名で調べれば……理由は分かってもらえるかと思います。つまり、DT//Sを書いてた当時には知らなかったんですよ、問題がある人物だったとは。

 家に、その、ラジニーシさんの本が家にあったんですよねー(ちなみに、鼻で笑う分には面白い読み物ではある。申し訳ないが「んー、アレイスター・クロウリー(苦笑」ぐらいの感想しか抱かなかった。……にしても、カルト教祖ってどうしてすぐハッパ吸っての乱交を肯定するようなことを言いだすんでしょうか)。その本から適当に名前を取っただけだったんですよねー。命名の理由って、本当にそれだけだった。

 なんとなく「ジェイコヴ」って人物はインド系をイメージしていたので、インドっぽい名前を付けたかっただけ。実に軽い気持ちだった。軽い気持ちでミスをしたと思っている。というわけで、彼の名前は「ジェイコヴ・パテル」に変更されました(AfL以降も今後修正する予定です)。

『パトリック・ラーナー』がかなり変わった

 EQPでは薄気味悪い情報局員として登場してアレックス&ニールを引っ掻き回し、HEでは「怯える小動物」感のある新米局員として主人公を務めて、DT//Sでは不憫な目に遭うパトリックさん。旧三部作において、かなり重要な位置にいる彼ですが。改訂版において彼がかなり変わりました。

 そもそもパトリックっていう人物は「気性が荒いというか情緒不安定で、言動に統一感のない」という存在。そんなこんなで旧版では、シーンによって一人称とか口調が変わってたんですけど(特にHEはコロコロ変わる)。改訂版ではそこを統一しました。一人称は「私」、口調は丁寧というより慇懃無礼で偶にあざとい、という風に。

 簡単に言うと↓のような感じに統一されました。

「……しかし、その悪魔の毒牙に掛かったお間抜けさんはどこのどなたでしたっけ? ねぇ、ダグラスさん。ふふっ」
――『EQPのセオリー』 ep.11

 HEの若パトリックは、全体的に「丁寧な口調だけれど、どこかオドオドした雰囲気」になっていますが。EQP及びDT//Sの大人パトリックは、まあ慇懃無礼であざとい感じですね。語尾に「♪」とか「♡」が付いてそうな雰囲気。自分が「可愛い」存在であることを自覚したうえで手玉に取りに来る、そういうイメージで彼のセリフを書いてます。

 あと、HEにおけるパトリックは情緒不安定ゆえの辛辣さがあったのですけども、その辛辣さが改訂版ではかなり削られてます。どちらかと言うと、言いたいことはあっても胸の中に留めておくようなタイプに変わってます(だからこそ、アーサーもといハイドン部長を苛立たせる)

 パトリックについてはあんまり詳しく書きすぎると、旧三部作そのもののネタバレになっちゃうフシがあるので。まあ、これぐらいに留めておきます。

『ペルモンド・バルロッツィ』のキャラ変がどう出るか……

 そして今回の改訂版で、ペルモンドという超重要人物も性格がかなり変わった。

 旧三部作における彼の特性といえば『狂気じみた笑顔と好戦的な言動』『理不尽な暴力性』『気まぐれの弱者救済』『しかし、良き父親』という食い違う4点だったわけだけれど。ここをテコ入れしました。

 なんでかっていうと……――「神ノ禍」ですね。悪漢パヴァルが、ペルモンドと全く同じ特性を持っている。そして昨年の改訂作業のなかで、パヴァルの放つ毒で胃もたれした。「同情できねぇ悪漢はこれ以上いらねぇよ!!」と感じたので、同情できそうな要素を増やした形です(ペルモンドに同情というか共感要素が出てくるのはWUtBから。かつての旧三部作には1ミリもなかった)

 なので新ペルモンドは『機械じみた無機質な言動と態度(※新要素』『本人の意思とは裏腹に振るわれる暴力(※これは本来、WUtBで明かされるものだったけれど前倒しして公開する形となった』『気まぐれの弱者救済』『しかし、良き父親(※ただし裁判所から親権を剥奪されているという4要素になりました。

 新ペルモンドは全然笑わないです。まったくニタニタしてない。笑ってもすぐ無表情になる。気味の悪さは格段にアップしたかも。

『テオ・ジョンソン』と『サラ・コリンズ』が準主要人物に格上げ

寒い冬のお休みの過ごし方。
鯖サンドがあれば他に何もいらないコリンズさん。
パトリックは荷物持ち兼アッシーくんのジョンソンを侍らせて買い物に。
ノエミは食事やツーリングの予定を友達バーニーと立てるも、
だいたいバーニーの仕事の都合でおじゃんになる。
カルロ&ジリアンは二人で色んなとこ行ってそう。

 旧三部作でも名前は登場するものの、本格参戦はAfLからとなる「セオドア・”テオ”・ジョンソン」と「サラ・コリンズ」の二名。かつての旧三部作では本当に空気みたいな扱いだったんですけど(当初は本当に、ただのモブキャラだった)、改訂版ではやや存在感が上がりました。

 AfL以降では「コリンズ長官」「ジョンソン部長」になってるわけですから。AfL以前の作品でも存在感を出しときたかったんです。

 あと、鯖サンド。鯖サンドは重要なアイテムです(?)。

大改訂に伴い、某ページもアップデート予定

温和そうな雰囲気のニールと、峻厳な顔をしたアレックス。
この対比が好き。

 本文を大改訂したついでに、登場人物ページもテコ入れしようと思い立ちまして、現在新しい顔グラを生産中です。JJで新たに出てきた重要キャラとかも増える関係で、40人分ぐらい書かなくてはいけなくなった(すべて自業自得)。

 Young⇔Adult差分のあるキャラも結構いるので、それも含めると……――何十個書けばいいんだろ。既に気が重いが、もう20個ぐらいは仕上げたので、このまま描き切りたいと思う。

 前回(たしか2020年ぐらい)に書いたときは、作業環境をSAIからクリスタに移行したばかりで、クリスタに慣れておらずアタフタしていましてね。あと、全体的にかなり雑に描き上げてる。ので、あまり出来が気に入っていない。

 だからこそ今回は多少時間が掛かったとしても、丁寧にひとつひとつ仕上げたいなと考えてる。少なくとも線画だけは、丁寧に。塗りはベタかアニメ調にする予定。

2023/03/05 追記:

特徴がパッキリ分かれているキャラもいれば、そうでないのも居たり。
どうしても手癖の問題も出てきてしまうのが厄介。
そんなこんなで容姿を決めるって作業はマジで面倒くさい。
何よりも悩ましいのは眉毛だ。シンシアの眉毛を細くすべきか太くすべきか、実に悩ましい……。

 いやー、舐めてた。線画という作業を舐めていた。

 二月の大半を偏頭痛で寝込んで終えてしまったこともあって、開始から三か月が経ったものの、終わりがまだ遠い。あと10キャラぐらい残っている(主にWUtBの登場人物たちが残っている状態)うえに、最悪の難敵「アーサー」を片付けていない。残りのキャラの大半は差分なしにする予定でいるけど、でもアーサーだけは最低でも顔グラ5~6個分も書かなきゃならない。フギャァァッ!!

 12月時点では、1月半ばには終わってんだろうと想定してたんですがねー。どうしてこうなっちゃったんでしょうかねー。

 とはいえ嘆いたって仕方がない。3月はラストスパートを掛けるつもりで仕上げていきたいー。がー……――うむ。