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紙媒体版「ディープ・スロート//スローター」販売開始です|あの台詞とかこの言葉の話

パイソンは作中に出てこない。パイソン柄は出てくるけど。

 紙媒体版「ディープ・スロート//スローター」オンデマンドにて販売開始です。

 3巻からページの構成が二段組になり、一ページに詰め込まれてる文量がムギュッと増量しています。ちょっと圧迫感のあるレイアウトになりましたが、価格を抑えるための苦肉の策ゆえご了承願いたい。

 二段組にすると幾分かページ数を削減できるんです。短い台詞が原因で生まれる無駄な空白、これを大幅カットできるので。意外かもしれないけれど、二弾組にするだけで20~30ページかそれ以上のページ数を削れるんですよ。実際、3巻は2巻よりも文章量はかなり増えているんですが、ページ数だけを見ると2巻よりも少なくなっています。つまり、そういうことです。

 4巻以降は、より一層「1冊分の文章量」がズダダダダンと増えていくので、こういう措置を講じることにしました。

 そして3巻の内容も、サイトに掲載されているものと微妙にニュアンスが変わってたり、台詞や言動が書き換えられてたり等の変更点があります。比較してみると、またちょっと別の視点が見えてくるかも?

このタイトル、今さら変更できないから困っている。

 3巻「ディープ・スロート//スローター(以下、DT//S)」。ひっどいタイトルだよな、と今は思っている。

 だから改訂版の中では、終盤にペルモンドが苦言を呈するシーンをいれた。「もっと他に、マシな名前は無かったのか?」っていう、アレである。いや、この台詞は従来のバージョンからありはしたんだけど、それが意味するものは違っていたんです。

 従来版の台詞は、ちょっと好戦的すぎるハイドン氏の姿勢に「ちょい待て」とペルモンドが釘を刺すだけのものだったんだけど。改訂版ではそこが変わりましたね。「いくらなんでも、ネーミングに品がない」という苦言に変わった。

 ……実を言うと、この「DT//S」を書いてた当時は16~17歳だったんで、知らんかったんですよ。ディープ・スロートという言葉の意味してたものを。

 当時の自分にとって、ディープ・スロートっていう言葉は単に「ウォーターゲート事件の中での重要人物のこと」でしかなく。そもそも、その人物に「ディープ・スロート」という名が付けられた所以なんかも知らなかった。一切。今は「逆に、何でそっちを知っていて、もう一方の意味を知らんかったのだ??」っていう気がしているが。なんかね、うん。本当に知らなかった。冗談ではなく、これは本当に知らなかったんだ。

 なので、本当の意味を知ってからは、今のように「DT//S」と略して表記するように努めています。だって、恥ずかしくて仕方ない。無知って怖いね、本当に

 でも今さら変更できないじゃん? 初公開から、もう6年も経ってるんすよ? 今さら、題名を変更?? うーん、ちょっと無理かも。

 1巻「EQPのセオリー」は、だいぶ経過してから思うところがあって、それで題名を変えたりしたけど。かといって「DT//S」のほうは、他に代案も思いつかないし。最後にペルモンドの苦言で締められるなら、まあそれはそれでええか、と判断したかたち。

 なので、ね……。ひどいタイトルだし、結構エグい描写のある話ではあるけど、ポルノ的な側面はない作品なんです(そういうキッツイ描写が来るのは、その次の「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」と、その時代を別側面から見る話「ジェットブラック・ジグ:part 3」のほうなので)。本当だよ。本当に、本当だから!!

黒ずんだ血の色を、元の鮮やかな赤い色に戻してくれる素晴らしいものがあるんですよ。血液クレンジング……ではなく、肺呼吸っていうんですけど。

 3巻を発行するついでに、同時にリリースしたのがこの曲だった。去年の今日に公開したあの曲と対になる曲、という位置づけ。

 Oxidized and darkened blood:酸化して黒ずんだ血の色。作中でも出てくるこの言葉。これはガーネット、その中でもアルマンダインのことを指している。そしてジリアンという女性のことでもある。だから、カルロとジリアンのペアリングに輝くのは小ぶりな暗赤色のガーネット。……というのが、作中にある言葉をストレートに読み解くと得られる理解だけれど。

 ガーネットと、それにまつわる伝承や願いを鑑みたとき。「You deserve garnet:ガーネットにふさわしい」になるのは、ジリアンよりもノエミなのかなーって気がしています。

 本人の望んだものではないのだろうけど、結果的に純潔ですからね、ノエミさん。なんやかんやで一途だったわけだし。

 だから「Garnet Rings」はジリアンをイメージして書いた詞ではあったけど、「Translucent Garnet」はカルロなのかといえば、ちょっと違うかもね。

 ……というのを、歌詞を書きながら、そして表紙絵を描きながら考えていて。で、それもあって表紙絵には、ノエミと共にバーニーが起用された。ジリアンを描くか迷った末に、バーニーになったかたち。

 バーニーの、全部を分かっているからこそノエミとの間に一線を引いている感じ。彼には、独特の奇妙な安心感があるよなあと最新話をチマチマと書き進めながら実感してます。