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アルバム「文目を濁す薄霞」についてのメモランダム

 


　新しいアルバムを出していた。という情報は、FanboxとかTwitterとか本ブログに書いていたが。こっちではちょいと別ベクトルの話をさせてくださいまし。

英詞３曲のみが本題で、それ以外はどうでもいい

　アルバム「文目を濁す薄霞」は７曲＋Bonustrack１曲という構成になっている。が、実際のところ、「文目を濁す薄霞」というタイトルを帯びさせるに相応しいのは３曲だけ。それが英詞で作った３曲、「Jardin」「Paralysed by」「in a charade」のみ。

　去年出したアルバム「殘炎縹渺」と比較すれば随分と大人しいテイストにはなっているけれど、上述の三曲もそれなりに政治的なものである。　

神を作ったのは人だ。

　Jardinについては、Tumblrのほうにこの曲についてのコメントを載せていた。

I heard a story that 'It seems that ancient people were able to hear commands from supernatural beings, but as writing became more widespread, this sense was lost,' and I found it intriguing, so I wrote the lyrics on impulse.

　とはいえこの言葉は本音をかなり濁して薄らぼんやりとさせ誤魔化しているし、核心には触れていない。

　要するに言いたいのはこれ。

神の言葉などなく、あるのは人が書き残したもののみ。

　日本に生まれて日本で育ったものであれば、親が妙な宗教に傾倒していない限りはそれに気付く。容易に気付ける。

　神や宗教はある種の洗脳装置で、ひとつの集団を同じ方向に向かせるためだけにあるものだ。集団に所属する個々の思想を同じ方向に向かせるため、数多の決まり事を作り出して縛り、決まり事を正当化するために壮大な「歴史」をでっち上げる。でっち上げた歴史を「聖典」と呼ぶ。

　つまり宗教とはある種のフィクションに酔うことなのだ。極端な話、スターウォーズの世界に憧れてジェダイの騎士を本気で目指そうとする子供の心と、「主」に焦がれて修道院に入る成人は本質的には大差ないと思う。「誰かのついた嘘」を本気で信じ、陶酔しているという点においては同じだ。

　出土品から判明した事実を繋ぎ合わせて紡いだ「人類史」の観点から世界を観れば、宗教など大規模な集団を効率的に支配するためのツールでしかないことに気付けるはず。つまり宗教とは、その時代にいた「誰か」たちが創り出したものにすぎず、聖典の言葉とて同様でしかない。

　「神の言葉」なんてものはないし、「神の約束」なんてものもない。第一、そんなものを確かめるすべなどない。人間が人間の言葉で書き記した聖典は「神の言葉」の実在を証明する根拠になどなり得ない。それは特定の集団にとって都合のいい「歴史」を綴った、ただのフィクションでしかないのだから。

　――つまり何が言いたいのかっていうと、イスラエルなんて国の正当性なんてどこにもないんですよ。認めるべきじゃないんです、あんな国なんて。

　Jardinの歌詞を書いたときにもそう思っていたし、今はそれがより強固になっている。昨日、たまたま観たNHKスペシャルの内容があまりにもおぞましく、反吐が出るもので溢れていたために、その思いがとても強くなってしまった。

　取材に当たっていた記者の方の憮然とした表情が強烈に焼き付いている。

　赤ん坊を殺すことさえ正義だと言い、自分たちと自分たちに味方する者だけが「光」であり、避難者はすべて「闇」「殺していい」と断ずる身勝手さ。「神の言葉」という人の嘘を妄信する者はここまで醜くなれるのだと、シオニストを見ていてぞっとした。自分たちは光であると語る者の姿が残虐な悪魔にしか見えないのだ。

　神州日本という思想に囚われた太平洋戦争下の日本人とまるで同じじゃないか……。

急速に右傾化していく世界の潮流 — いずれより強い報復が「宗主国」に来るのだろう

　「Paralysed by」「in a charade」の二曲は↑についてのあれこれだけど、たぶん過激な言葉しかでてこないと思うからここでは深く書くことは避けておく。

　ただひとつ言いたいのは、日本だって例外ではないだろうなってこと。

　日本がアジアの盟主を気取っていた時代に生まれた禍根だって完全に解消されたわけではないし、ガザ侵攻においてアメリカ追従の姿勢を日本政府が見せてしまったことにより買ってしまった不興の大きさを侮ってはならないと感じている。

　きっと今の流れのまま続くなら、9.11や10.7と呼ばれる事件に相当する何か新しいものは、きっとそう遠くないうちにどこかで起こるよ。そんなの、嫌なんだよなぁ……。

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