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【小説/漫画/RPG向け】簡単! ファンタジーにおける「それっぽい架空神話」を主軸とした世界観と、架空神話の作り方

  現在、紙の本を出すにあたって作業中な「神ノ禍」を読み返しつつ、物語を執筆していた当時に色々と考えてたこととかを思い出したので、ちょこっとまとめておきます。


DSC02434 - Legend of Aataentsic

 まず、今回の記事で取り扱う「ファンタジーにおける架空神話」の前提ですが。

  • 架空神話を「物語におけるエッセンス(リアリティを与える小道具)」として扱う作品であること。
  • 架空神話は「あくまでも大昔のこと(=神代)」として扱い、作中に神々が現れてなんかスゲーことをするような展開は一切ない作品であること。

 そのような作品を前提としています。いうなれば「それっぽい神話をさくっと作りたいが、現実に存在している散々にこすられてきた神話の流用は避けたい」という方向けの記事です。

 なので「クトゥルフ神話みたいな、そういう新しい人工神話を俺は創るんだー!」みたいな方は対象としていないので、別のとこに行ってくださいね(まあ、そんなことを思いつく変人はそもそもこんな記事になど辿り着かないだろうし、必要もないだろうが)。

 そんじゃ、行くぜ!

まず決めるべきなのは「一神教」なのか「多神教」なのか

神話とは、すなわち歴史である

実践編

①世界の成り立ち(天地創造)を考える

②環境を考える

③神々の在り方を考える

④部族を併合した歴史を創ろう

⑤歴史を神話風に改変していく、その1

⑥歴史を神話風に改変していく、その2

おわりに。

まず決めるべきなのは「一神教」なのか「多神教」なのか

 これを決めなければ、何も始まりません。――が、ファンタジーを作るなら「多神教」を選ぶことになるでしょう。

 一応、「一神教(唯一神教)」と「多神教」の違いを書いておきますと……。

「一神教」

 「一神教」は大抵の場合、「多神教」が強い地域の中から何らかの権力闘争の末に派生して生まれるとされる(諸説あり)。

 一つの神(大抵の場合は「創造主である男神」または「神に相応するとして崇められている君主や、その血脈」である)のみを絶対の存在として崇め、それ以外の神格は認めない排他的な性質を持つ。ユダヤ教・キリスト教・イスラームの3兄弟や、明治時代の日本を参考にすれば、どういう世界を描けばいいのかが固まりやすい。

「多神教」

 「多神教」は、原始的な信仰のかたちとされている。また多神教には大きく分けて二つ、「アニミズム(自然崇拝)「多神教的一神教」があります。

 有機物や無機物であるかを問わず、あらゆる全てのものに精霊や神性が宿っていて、そこに優劣はなく全てが等しい存在とする「アニミズム」(最も原始的な信仰形態であり、穏やかな気候の地域に多く見られる。アニミズムに関しては、ネイティブ・アメリカンの諸民族やアイヌが持つ世界観や、古代日本や大陸ケルトの自然信仰などを参考にするといい)

 自然を神格化した神々が複数存在している中で、主神(主催神)という高位の神が単数または複数存在している「多神教的一神教」(「ゼウス/ユーピテル」を主神とするギリシャ/ローマ神話、「オーディン」を主神とする北欧神話、「クー」「カーネ」「ロノ」「カナロア」の4柱を主神とするポリネシア神話など)


 ――ざっと、こんな感じです。そして架空神話として一番作りやすいのが「多神教的一神教」です。ファンタジックかつ壮大な話を作りたければ、これ一択でしょう。

 一神教は、あまりお勧めできません。たぶん「多神教である周辺の国々への侵略を試みる帝国」みたいな物語しか作れないと思います。

 それか主人公が立ち向かう巨悪として「一神教をあがめる帝国てきな、なんかそういう組織」を作り、勧善懲悪のような物語を作るなら、アリだとは思いますが。この体系は面白い話が書けるテーマではないと思いますね。オーランド・ブルームとかリーアム・ニーソンが出てた映画「キングダム・オブ・ヘヴン」みたいな話しか、作りようがないんじゃ……?(あれはキリスト教の話ですけども)

 んで「アニミズム」的な世界観は、面白いっちゃあ面白いんですが。これは逆に世界観が壮大すぎて、その設定を物語に生かすことが難しいでしょう

 たとえば「各地を旅をして回る主人公が、大自然の中に宿る精霊や神の力を借りて魔法を使って、道中で出会った人を助けたりして、うんちゃらかんちゃら~」みたいな話は創れるかもしれません。「キノの旅」のように、広大な世界観の中であえて小さな物語を紡ぐような、そういう物語では映える設定かも?

 そして今回、取り上げるのは先述のとおり、ファンタジーを書くならコレでしょ!っていうツール「多神教的一神教」です。

 なんで「多神教的一神教」が良いのかといえば、このタイプの神話はダイレクトに歴史に結びついているから。歴史と神話を紐づけること、それが手っ取り早く世界観を固める方法なのです。

神話とは、すなわち歴史である

 「いや、神話が歴史ってどういうことやねん?」って、すっかり物質主義やエビデンス至上主義やらに染まってしまった現代人は思うかもしれない。

 「だって、水から宇宙は生まれてないよ。宇宙はビッグバンによって生まれたんでしょう? それにビッグバンによって誕生した宇宙から、水は生まれたんでしょう?」って言われりゃ、たしかにその通りなんですけども(いや、実際にはそれすらも『諸説あり!』なのだが)。重要なのはそこじゃないんです。

そ こ じ ゃ な い ん で す よ !

 いろいろな例を挙げるときりがないので、ここは「多神教的一神教」のような側面を持つ日本神話に絞って話を進めますが……――端的に言うとこの「日本神話; 古事記、日本書紀など」ってやつは、「天皇家がその地位を正当化するために紡いだ物語」であり「実際の史実に、大幅な脚色を加えた歴史小説」でしかないんですよね。

 なので、日本史の授業で習いませんでしたか? 「古事記、日本書紀は大昔に編纂された歴史書」とか、そんな感じのことを。歴史書なんだけど、でも神話なんです。ハハッ。

 実際、古事記は「国民に向けて天皇家の正当性を示すもの=神話」として綴られたものであり、日本書紀は「国外に向けて、日本の歴史を示して『ほら、うちはちゃんと歴史のある一流の国なんですぜ!』とアピールするもの=歴史書」として綴られたという経緯があります。

 そして、どこの地域の多神教的一神教もそんな感じです。だいたい神話は、王位の正当性を国の内外に主張するために作られています、つまり盛大に誇張された歴史書なんです。王位に関連した話に、後付けで壮大な物語=天地開闢とかが綴られた、と思っていい。ファラオなんかで有名なエジプト神話は、もろにそういう感じですんで(加えて、エジプト神話は異なる神をまつる神殿・神官たちの間で巻き起こる権力闘争もあったので、「うちの祀ってる神様は凄いんだぞー!」「うちの神様だって、こんなすごい話があるんだぞー!」「いやいや、うちだって負けてないんだぞー!」的な感じで、いろんな神様の逸話ないし神話が捏造 創作されていきました。一番の被害者はトト神だとされています。トト神さまは「俺(んとこの神様)TUEEEEE!」の始祖と言っても過言ではないくらいチートしてますぜ)

 んで日本神話の話に戻しますと。興味深い話のひとつに「大国主の国譲り」というものがあります。

 【因幡の白兎】の話で有名な【大国主】は、あれこれして今でいう【日本の国土=葦原の中つ国】を創るんですけども。けども、出来上がった葦原の中つ国を見た【天上の国=高天原】におわす【天照大御神】が「あの国、超イカすじゃん。あそこ、超欲しいんだけど~」と思いつく。んで【天照大御神】は、【大国主】のもとに使者を送るんですよね。「その国、ちょうだいな」ってな感じで。

 けど、ことはそう上手くは進まない。第一の使者はあろうことか【大国主】に寝返っちゃう。んで第二の使者を送るんだけど、そいつはそいつで【高天原】を裏切り……で、色々あって死んじまう。そうして送り込まれた、超ヤリ手でヴァイオレンスな第三の使者はキビキビと役目を果たし、ゴネる【大国主】を追い詰めて、国譲りを取り付けます。【大国主】は条件付きでそれを呑み、渋々【葦原の中つ国】を【天照大御神】に譲った、ってな感じで話は終わります。

 ――そして、この話。天照大御神=高天原が「天皇家であり朝廷のこと」ってことは言うまでもないのですが。それだけではありません。大国主を始めとする【葦原の中つ国にいる出雲族】っていうのは、出雲地方で朝廷をはるかに凌ぐ権力・影響力を持っていた豪族のことを指しているとされています。

 つまり、国譲りの話って「地方の豪族を朝廷が使者を送って説得(または武力による鎮圧)し、平定した」って話を脚色したもの、ともいえるんです。

 なにせこの日本書紀の時代。大化の改新やら他国の変化(隋、唐の在り方の変化)とか、とにかく色々とあって、地方における朝廷の影響力は地元に根差している豪族に負けていたんです。でも朝廷は一刻も早く、中央集権化の体制を固めたかった。だからとにかく朝廷は、「俺たちスッゲーんだぞ!!」って影響力を誇示する必要があったんですよ。

 そのために編纂されたのが「古事記」、つまり日本神話なのです。

 ……――といったような知識を持っていると、神話が作りやすくなっていきます。日本神話にならって、「神話の元となる、権力者闘争の歴史」をまず作ればいいんだからね! そこから、権力者の名前や彼らが治めていた地域の名前とかを、それっぽく改変していけばいいんです。

 日本神話のように、神話の中で権力者闘争を描くのも良し。ギリシャやローマ神話のように、他の地域の神様を取り込んでしまって、自分たち流にアレンジし、弟妹神として神話に組み込んで間接的に下してしまうのも良し。

 ね? 簡単でしょ?

 (尚、権力闘争といった歴史の作り方はここでは解説しません。そういうのは世界史オタクんとこに行って、聞いてください。それか「アルスラーン戦記」や「ゲーム・オブ・スローンズ」みたいにどっかの国の歴史とかを丸パクリすればいいと思いますよ)

実践編

 さて、神話の元となる歴史のバックボーンは作れましたか?(唐突

 そいつが作れたのなら、実践していきましょう!

①世界の成り立ち(天地創造)を考える

 まず、サクッと天地創造について作っていきましょう。

 天地創造神話には一般的に、4つのパターンがあるとされています。

  1. 【水から生まれるタイプ(潜水神話)】
     水面だけがある世界から神や創造主となる神格が浮上し、それが海底からすくいあげた海泥や粘土をコネコネして、大地や新たな生命などを作り出す話。エジプト「ヌン」または「クヌム」、旧約聖書などに見られる。
    • 派生:【両親型 or 洪水型兄妹始祖神話】
       水面や大地から男女の神が誕生し、子を為していく。日本の「イザナギ・イザナミの国生み」のような話。だいたい近親相姦。そしてだいたい、ロクな子供(?)が生まれない。何度か繰り返して慣れてきたぐらいに、やっとまともなものが生まれてくる。
       東南アジア地域によく見られる。
  2. 【原始の混沌】
     何もない空間(多くの場合、これを「混沌」と呼ぶ)から、次第に大地が作られ、神々や概念が誕生し、生まれた神々が更に神々を増やしていく話。
     ギリシャ/ローマ神話、ポリネシア神話で見られる。
  3. 【宇宙卵(卵生神話)】
     何もない空間に生まれた卵がパカッと割れて、その中から色々と出てくる話。または、王権を握ることになる血筋が「なんかすごい卵」の中から生まれてくる話。
     インドネシアを中心に東南アジアに多いとされているが、そうでもない。結構、このタイプの神話は各地に転がっている。王権と関わりのあるインドネシア/スマトラ型の卵神話と、なんか壮大な卵神話(インド型、オルフェウス教型、フィンランド型)に、ざっとわけられている。日本神話にも「宇宙は卵が~」のような記述がある(うろ覚え)ものの、日本神話のそれはあくまで「卵みたいな感じ」と形容しているだけにすぎず、卵神話には括られない。
  4. 【でっかい巨人or雄牛を解体するタイプ(死体化生神話)】
     巨大な神や、巨大な動物(だいたい雄牛)の体の一部または死骸から、神羅万象が生まれ出たというような話。北欧の「始祖の巨人ユミルと雄牛アウズンブラ」、インドの「原人プルシャ」、ギリシャ/ローマの「ウーラノス/カイルス」など。
     やらかした父巨人が子に復讐され、殺されるものが主流? インドの「リグ・ヴェーダ」にて語られるプルシャの話は、正直よく分からん……(カースト制度の正当化が目的と思われる)。

 パターンという便利な道具があるなら、使わない手はないですよね。この中から適当にビビッときたものを選んで、それをうまく改変すれば、それっぽいのが作れると思います。

 ちなみに。比較神話学において、この「天地創造」について言及がなされる神話は「ローラシア型; インドを起点に、広くユーラシア大陸+東アジア、東南アジアの島国、そして北アフリカの一部地域に広がっていった神話形態」という風に分類されているのですが(遠く離れた地域で誕生したはずの神話がなぜか似た通ったかな展開を辿ることが多いのは、そもそも同じ根から派生した兄弟姉妹だから、ってわけなんです)。これは比較的新しい概念だとされています。つまり、原始的な世界観や神話を創りたい場合は、天地創造を省いても構いません

 「じゃあ、天地創造の部分を省くとして。どういう神話にしたらいいの?」っていう疑問を抱いた方は、ローラシア型のような天地創造という概念がないオーストラリアの先住民族アボリジナルの世界観を参考にしてみるといいと思います(アボリジナルの時間に関する考え方は、他の地域とは一線を画しており、かなり興味深いです)。が、自分、そっちの方には明るくないので、ここでは解説できないッス……各自で調べてくれ。

②環境を考える

 大地を創ったら、次に考えるのは「どういった環境なのか」でしょう。

 肥沃な土地なのか、砂漠なのか、寒々しい山岳地帯なのか、海に面した土地なのか、氾濫する川があるのか~など、土地の条件を決めていきましょう。

 北欧を参考にするのか、または西欧か、南欧か、東欧か。もしくは北アフリカか、南アフリカか、西アフリカか、東アフリカか。中東なのか、中央アジアなのか、南アジアなのか、東アジアなのか、極東なのか、ロシアなのか。はたまた北米か、南米か、ポリネシア地域なのか……――お好きな地域をピックアップし、それを参考にします。そして参考にする地域の土地柄などを、徹底的に研究しまくりましょう。

 参考にする地域が決まれば、そこに生息する動植物も決まってきます。気象とかも決まってくるでしょう。そうすれば、そこに住まう民族の特性も定まってくるはずです。

 自然と調和しながら生きていく、原始的な生活を好む狩猟民族。

 乾いた砂漠を、水場と草を求めて家畜と共に彷徨う遊牧民族。

 戦車を引きながら旅をして侵略と略奪を生活の基本とする、もしくは文明社会に武力(=傭兵)を提供する代わりに食料を恵んでもらうような生活を行う戦闘民族。

 ひらけた平原や山などで酪農を営む牧畜民族。

 肥沃な土地で農耕に従事する農耕民族。

 ……そんな感じで、人の暮らし方も定まっていくと思います。

③神々の在り方を考える

 人の在り方を決めた後、それでは神々の在り方を考えていきましょう。

原始的な生活を好む狩猟民族にとっての「神」は?

 たぶん、アニミズム的な世界観がしっくりくると思います。木々や岩、小さな草や小動物、その全てに神性が宿っていて、全てが対等な立場にある。善悪は分かたれているものではなく、それぞれが併せ持つもの。個人の所有物という概念もなく、すべては分け合うべきもの。……そんな世界観が相応しいんじゃないでしょうか。

遊牧民族にとっての「神」は?

 こちらは一般的に、シャーマニズム的な世界観が強いと言われています。「善=白」と「悪=黒」に分かれた、二元論的な世界観ですね(地域にもよりますが、砂漠やステップには四季らしい四季ってのはないそうです。冬か夏か、雨期か乾期か、その二つにきっぱり分かれる地域が多いらしい。なので、そういうキッパリ二つに分かれた気候に影響され、二元論的な文化が生まれたとかいう説もある)。もしくは、清らかで尊いものたちが住まう天上世界、生き人たちが住まう地上世界、邪悪なものたちが住まう地底世界、その3つに分かれています。

 そして遊牧民族は「天上」への信仰が強く、少しでも天に近付くために高い塔といったオブジェを建てることが多いみたいです。また「天上の神」は人格を持つ男神であることが多いようです。

 天上というと太陽をイメージするひとも多いかと思いますが。ただし「太陽」を崇めるかといえば、そうでもなく。遊牧民族はどちらかといえば「月」や「星」のほうを神聖視する傾向にあるとされています。イスラム教を国教とする国々には、国旗の中に月のマークがあったりするじゃないですか。あれもそういう系譜ですね(勃興期には遊牧民族が多くを占めていたオスマン帝国、そこが「月と星」のシンボルマークを使用していたことが由来だとか、なんとか……――)

 また遊牧民族は、個人主義の傾向が強くありながらも、部族や血統を重視し、とにかくプライドが高いとか言われてます。部族同士の抗争が多く、そこから転じて戦闘民族(騎馬遊牧民)が生まれていったとの説もありますね。

 ただ……遊牧民族は、「ベドウィンなどのアラブ系の遊牧民族(部族や血統を重視し、伝統を重んじ、融通が利かないタイプ)を参考にするのか、「テュルクやモンゴルといったアルタイ系の遊牧民族(能力さえあれば血統・性別は問わず誰でも受け入れる、真正の実力主義なタイプ)を参考にするのか、はたまた「チベット系の遊牧民族(シャーマニズムと共に仏教の影響を受けた、穏やかなタイプ)を参考にするのかで、描くべき特徴が大きく変わってくるでしょう。

戦闘民族にとっての「神」は?

 基本的には、自然崇拝だとされています。アニミズムは「自然の中に宿る“神性(超自然的な要素)”」を崇め、その全てを平等に扱うのですが。単なる自然崇拝の場合は「自然そのものを神格化する(超自然的な要素は、無視されることがある)といった感じです。偉大なる隣人として自然を敬い畏れる、ってな感じでしょうか。

 また自然崇拝の場合は、自分たちが特にお世話になっている特定の要素(太陽や月や星、海や川、森、泉、大地など)を依怙贔屓することがあります。

 なので、そうだな……――戦闘民族はそれぞれの部族ごとの個性を帯びた神様を祀ってそうです。しかしこのテの民族は、石碑といったものに「俺んとこの神様すげーんだぞ!」という記述は残すかもしれませんが、神話というひとつの「体系」としてそれを纏めるかといえば……疑問符がつくでしょう。それぞれの神様がどういう活躍をしていたのか、っていうのが各地に乱立している状態になるのではなかろうか。

 現に、自然崇拝だったとされているケルト人(大陸のほう)は、石碑などで信仰の痕跡を残すのみ。たとえば「ボルウィンヌス」という神様は、その土地にある熱水泉を神格化したものらしいと碑文から判明しているのですが、それ以外のことは殆ど何も分かっていなかったりします。女神ドナ?という配偶者がいたとされていることから、男神であろうと予想されていますが、それすらあやふやな状態です。

 ケルト人の信仰については、それを観察していたローマ人が、ローマ人にとって都合のいいかたちで記録を残した(たとえば、ケルト神であるボルウィンヌスは「熱水泉」を司るというその特徴から、闘争心や熱さを象徴するローマ神のマールスに名前を置き換えられて、記録には残された)ので、当時に関する正しい記録や分析がほぼ失われているという側面もあるのですが……。

 また、日本にも地域に根差した自然崇拝が多々ありますが(森の象徴として狼を据えて、狼を神として崇める「狼信仰」。河川や海の象徴として龍を据えて、龍を崇める「龍神信仰」など)。それも結局、その地域の中に限られた話であって、日本神話に食い込んでくるようなビッグネームの神様は少ないですよね? まあ、そういう感じになるんじゃないかなーと思います。

農耕民族・牧畜民族にとっての「神」は?

 農耕民族および牧畜民族の信仰体系も、だいたい自然崇拝だとされています。なので、上述の「戦闘民族」とほぼ同じ感じですね。

 しかしこちらはその性質上、「定住」っていうサガから逃れられない為、より一層地域に根差した崇拝が生まれます

 特に重要視されるのは「大地」と「川/海」。それらは命を、そして糧となるもの生み出してくれるものですからね。多くの場合これらは「生み出すもの=女性性」と紐づけられ、なので信仰の中で最も偉大だとされる神は地母神(多くの場合、地母神は大地と水、豊穣を司る)となります。

 たとえばエジプト神話では、最も重要な神は太陽神ラーだとされています。しかし神話を見ると分かるのですが、その太陽神ラーは地母神イシスの掌の上でコロコロと転がされているところが多かったりします。老害太陽神ラーはイシスに魔力を奪われてしまったり、そしてイシスの画策によってイシスの息子ホルスの王権継承を認めざるを得なくなったりと、本当に都合よくコロコロと転がされています。――農耕・牧畜民族にとっては、地母神がやっぱ一番強い存在なんです!

 そして、地母神に続いて重要視されるのは「太陽神」です。植物を育てるのには、やっぱり太陽が必要ですからね! そして太陽神は大抵の場合、男神です。だって、種まいたあと、その世話をするのは古来より男の役目だろう?

 また、農耕地の場合、その民族が住まう集落の傍には必ず水源があるはずです。その水源はときに氾濫したり、洪水を引き起こしたりもするでしょう。なので、その出来事に関連した物語が必ず生まれるはずです。……まあ、色々と大洪水の話は各地にあるので、そういうのは各自Wikipediaとかで見てくださいなっと。

 そんなこんな自然崇拝の農耕・牧畜民族は大抵の場合、季節ごとに神様に捧げるお祭りをひらくものです。たとえば島嶼ケルトの農耕民族たちは、季節ごとに猛る神々を鎮めるためにお祭り(2月のインボルグ、5月のベルテイン、8月のルーナサ、11月のサウィン)をひらき、供物を捧げます。そういう感じで、農耕・牧畜民族を描く際には、季節ごとのお祭りなんかも決めておくといいでしょう。

④部族を併合した歴史を創ろう

 さて。そろそろ神話を創っていきましょう。

 と、その前に、一度確認しておく必要があります。「あなたが作ろうとしているその物語に、日本神話のような壮大な神話は本当に必要ですか?」と。

 神話とは、王位や高位の正当性を国内にいる民に知らしめるために綴られるものです。ということはつまり、国内に王位・高位の正当性を認めていない勢力が居るということ。

 こういう状態がなぜ作られるのか? それは簡単。――「その国には、異なる出自や首長を持つ民族ないし他国を吸収、併合した過去があるから」です。なので神話が作られます。「天照大御神(天皇家の象徴)」が「出雲族(地方豪族の象徴)」を併合したという物語を広く知らしめる必要があるからです。

 現代の日本人、特に都市部で育った人々にはピンとこない話かもしれませんが、昔の人の多くは、自分たちが所属するコミュニティの象徴としての「神格」を一つ二つは持っているものなのです。つまり「氏神」ってやつですね。トーテムともいう。

 そして神話は「地方の“氏神”の信仰心を、そして影響力を削ぐために作るもの」なのです。日本神話が「天照大御神の門に、他の神々が下る」物語であるように、架空の神話を創るならば、リアリティを与えるためにそういう話にする必要があります。なので神話を創る前に、闘争の歴史を織る必要があるのです

 さて、ここでは例として1世紀~6世紀ぐらいのカザフスタンの歴史を引っ張ってきます(ちなみに、カザフスタンもとい中央アジアの歴史はダイナミックな変化の連続で興味深いものがあります。入門編としては「トミュリス」という映画が分かりやすく面白い――史実に忠実ではないものの、マッサゲタイといった民族の風習はかなり再現されている――のでオススメです)

  1. 一世紀頃のこと。カスピ海の東側。カザフステップと今は呼ばれている草原には「アラン」「アオルソイ」「ブディノイ」「マッサゲタイ」「マジャル」「ウソン/イッセドネス」など、印欧語族またはウラル語族を扱う遊牧民が居住していた。
    これらの民族は時に小競り合いを起こすものの、とりあえずは共存していた。
  2. しかし時代が下り、東方から他の遊牧民や入植者が草原にやってくる。よそ者と共にテュルク系言語やその他の外生言語が入ってくると、状況が一変。
    原住民たちは外から来た者たち(主にフン族)によって西方のヨーロッパへと追い出されたり、支配されたり、ないし吸収されていく。
  3. 侵略を続けるフン族は、西方へと進んでいく。中央アジアの大半を支配すると、東欧のほうへと進行していった。
  4. そうしてフン族の支配を受ける中で、中央アジアの中に「カザフスタン」という地域が確立されていくようになる。

 これを、ファンタジー風に改変していきましょう。

 このサイトを使って、適当にそれっぽい国名や部族名を決めていきます。


 ジャジャンッ。


 というわけで、国名を「カルナビア」にしましょうか。

 続いて、同サイト内にある「架空地名メーカー」に移動し、そこで適当な部族名を作ってもらいます。んで、適当な部族名とかが出来上がったら、架空の歴史を創っていきます。

 そして完成したのが以下の通り。

  1. それは遥か昔、800年ほど前のこと。カルナッビ海の東側。今では「アヴェール草原」と呼ばれるその地には、「アヴェフラー族」「アプラーミイ族」「ブチノブイ族」「マニアェイ族」「マヴ=ピレラ族」「イジヤチス族」など、アヴェール語族またはマヴ語族を扱う遊牧民が居住していた。これらの民族は物々交換などを行うような、友好的ともいえる関係を築いていた。
  2. しかし時代が下り、さらに東方から他の遊牧民や入植者がアヴェール草原にやってきた。カルナブ系言語やその他の外生言語が入ってくると、状況が一変。原住民たちは外から来た者たち(主にフマー族とカルナブ族)によって西方のエッタルハ地域へと追い出されたり、支配されたり、ないし吸収されていく。
  3. 侵略を続けるフマー族は、西方へと進んでいく。フマー族はアヴェール草原の大半を支配すると、東エッタルハのほうへと進行していった。そしてフマー族の関心が東エッタルハに移ると、アヴェール草原をカルナブ族が奪い取るかたちで支配するようになる。
  4. そうしてフマー族およびカルナブ族の支配を受ける中で、アヴェール草原には「カルナビア」という国が確立されていくようになる。

 ……さて、これを神話風にしていきましょう。

⑤歴史を神話風に改変していく、その1

 神話風にしていく前に。その地域の環境や部族の特徴を決めていきたいと思います。

  • アヴェール草原は、比較的雨が降らない草原=ステップである。その為、背の高い樹はあまり生えていない。風が強く、砂がよく舞う環境である。
  • アヴェール語族の言語を扱う「アヴェフラー族」「アプラーミイ族」「ブチノブイ族」は、似たような文化・信仰を持っていて、狩猟と採集を生活の基本としている。
    • ハヤブサの姿をした太陽神「アヴェラ」という男神の下に、全てのものが平等である宗教観を共有している。世界は太陽神「アヴェラ」が海から浮上したことによって始まり、太陽神「アヴェラ」が海底からすくいあげた泥から万物が作られたとされている。そして年に一度、3つの部族が集まり、太陽神「アヴェラ」の復活と再生を祈る踊りを捧げる祭儀を執り行う。
    • アヴェフラー族は「サイガの姿をした、風と知恵の男神グンフラーラ」を祖霊=トーテムとしている。
    • アプラーミイ族は「オオカミの姿をした、月と歌の女神アプラーン」を祖霊=トーテムとしている。
    • ブチノブイ族は「アナグマの姿をした、岩と恵みの女神ブチン」を祖霊=トーテムとしている。
  • マヴ語族の言語を扱う「マニアェイ族」「マヴ=ピレラ族」「イジヤチス族」は、似たような文化・信仰を持っていて、農耕・牧畜を生活の基本としている。
    • 太陽神「アヴェラ」信仰は、アヴェール語族の者たちと共有しているが。こちらには太陽神「アヴェル」を生み出した母、海の母神「マヴ」という概念がある。そして母神「マヴ」を最重要視している。全てのものは母神「マヴ」の胎から産み落とされたとされている。マヴ語族には祖霊=トーテムという概念はない。
    • マニアェイ族は山羊と羊、ヤクを牧畜している。オオカミの姿をした地底世界・冥府を支配する男神「イプーラル」を、家畜の守護神として特に信奉している。
    • マヴ=ピレラ族は農耕を営み、大麦や小麦といった穀物と綿花を育てている。太陽神「アヴェル」と共にキツネの姿をした豊穣を司る女神「レクプーランナ」を特に信奉している。
    • イジヤチス族は農耕と牧畜を営み、米や瓜といった野菜を育てながら、ヤクを牧畜している。ヤクの姿をした技巧の女神「イジヤーンナ」を特に信奉している。
  • カルナブ系民族は騎馬遊牧民。そしてカルナブ系族は一般的に、海から出でし太陽の母神「カルー」を信奉し、自らを「カルーの子孫」と名乗っている。カルーの生まれた海「カルナッビ海」を目指して旅をしていたとされている。
  • フマー族も騎馬遊牧民。フマー族は「天上におわす善なる父ヴール」と「地底に封じられた絶大なる悪イー」という概念を持ち、「天上神ヴール」のみを崇める。「ヴールの威光でより多くの地を照らすこと」を使命に、侵略ないし“啓蒙”を進めている。
  • フマー族には「フマー王家」という王族がいて、その一族の王命により「ボータディーン・クハン将軍」率いる軍がアヴェール草原を侵略した。

 この架空の歴史の最終的な勝者は「カルナブ系民族」であり、敗者は土地を奪われた「フマー族」で、併合されたものたちは「原住民のアヴェール語族とマヴ語族の6部族」です。そして「カルー神話」が出来上がったとします。

 多神教的一神教のかたちを取る架空神話「カルー神話」に登場する主要な架空神は以下の通りです。

  • カルー神話の中心となる「マヴ神族」
    • 主神としての「太陽神カルー」
    • 太陽神カルーを生み出したこととなった「地母神マヴ」
    • 太陽神カルーの弟神となった、好戦的な「光明神アヴェル」
    • 地母神マヴの死と共に、その巨大な死体から次々と生まれた神々たち
      • 知恵の神グンフラー
      • 月の神アプラルー
      • 水神ブチン
      • 冥府神イプーラー
      • 豊穣神レクプラーンナー
      • 鍛冶の神イジヤーンナー
  • マヴ神族に戦争を仕掛けたものの、敗れ去った悪鬼たち「フー族」
    • フー王ヴールー
    • 勇将ボー・クーン
    • ボー・クーンに率いられし悪鬼の兵たち

 土着の信仰をうまく吸収し、「俺たちは同じ神々のもとに生きる仲間だぜ」という意識を示しながらも、「俺たちのカルー神のほうが、お前らの崇める神より格が上なんだぜ!」っていうのをアピールする神話、というのがミソです。

 さっ、これをベースに物語を構築していきましょうか!

⑥歴史を神話風に改変していく、その2

 ここまで作れちゃえば、あとはもう簡単です!

 箇条書きでポンポンポンッと、おおまかな時系列さえ作れちゃえば完成っつーことでいいでしょう。

 架空神話の執筆に着手する前に、ざっくりとしたロードマップを敷いていきます。

  1. 天地創造
  2. 主神が誕生する
  3. その他の被造物が誕生する
  4. 最終的に、どんな世界が生まれたのか
  5. 侵略者が登場
  6. 侵略者を蹴散らして大団円

 以上の6項が書き終えれば、ファンタジーに必要な最低限の「架空神話」が完成すると思います。

 んじゃ、上記6項を満たす架空神話「カルー神話」を書いてみましょう!

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天地創造~主神誕生

  1. 原初、世界には何もなく、闇だけが満ちる世界が広まっていた。
  2. ある時、そこに万物の根源「母神マヴ」の基となる「原初の水」が誕生する
  3. 「原初の水」は暗闇の世界の底に満ち、無限の水が広がった。
  4. 「原初の水」から浮かび上がった「母神マヴ」は、水底から浮上した。「母神マヴ」は水底から泥をすくいあげ、そこから大地を創った。
  5. しかし変わらず暗い世界では、何も楽しみはなく、変化もない。そこで「母神マヴ」は、世界を明るく照らす者を創ることにした。「母神マヴ」が願いを込めて捏ねた泥を、天上に向かって投げると、泥は光り輝き、さんさんと光を放つ戦車に乗った女神「太陽神カルー」が誕生した。
  6. けれども「太陽神カルー」の輝きだけでは闇は払えず、この闇を切り裂くために「母神マヴ」は新たなる神を創ることにする。また泥を捏ねた「母神マヴ」は、握った泥を平行に投げた。すると泥は一際強い光を放つ。泥の中からは闇を切り裂く剣を佩いた男神「光明神アヴェル」が誕生した。
  7. 「太陽神カルー」が走らせる馬車は太陽となって空を駆け、大地を照らした。「光明神アヴェル」が放つ一閃は大気を生み、闇を割り、昼を創った。

被造物の誕生~世界の形成

  1. しかし時が経つと「太陽神カルー」は地に置ち、水の底に沈んでしまった。「光明神アヴェル」の嘆きから夜は生まれ、「光明神アヴェル」の涙から星々は作られた。
  2. 「太陽神カルー」の姿が消えると、悲しみのあまり「母神マヴ」は頽れる。地に伏した「母神マヴ」はやがて力尽き、その体は山脈となり、平原となった。
  3. 「母神マヴ」の腕は崩れ、そこから神々が作られた。右腕からは「知恵の神グンフラー」「月の神アプラルー」「水神ブチン」が、左腕からは「冥府神イプーラー」「豊穣神レクプラーンナー」「鍛冶の神イジヤーンナー」が誕生した。
  4. 「母神マヴ」の足からは、地上に生きる者たちが生まれた。植物の種が生まれ、動物たちが生まれ、人間たちが誕生していった。
  5. 「知恵の神グンフラー」の発案により、神々と人々は「太陽神カルー」を呼び戻すための祭儀を執り行うことにする。「光明神アヴェル」の焚いた火を取り囲み、海へと踊りを捧げ続けた。
  6. そうして踊り続けていると、やがて海面からは「太陽神カルー」が姿を現す。輝く戦車を伴った「太陽神カルー」が、再び天上に現れたのだった。以降、「太陽神カルー」は消失と復活を繰り返すようになる。そのようにして昼間と夜間が作られ、一日という概念が生まれた。
  7. 夜の間、寂しがり屋の「月の神アプラルー」「太陽神カルー」のいない夜を嘆いて吠え続ける。その悲しみは形となり、やがて空に月を生み出すこととなった。
  8. 昼間の空には「太陽神カルー」の引く太陽の戦車が、夜間の空には「月の神アプラルー」の作った月が、それぞれ空を照らすようになった。
  9. 昼と夜のサイクルが生まれると、「光明神アヴェル」「豊穣神レクプラーンナー」は地に降りる。「光明神アヴェル」は人々に牧畜を教え、「豊穣神レクプラーンナー」は人々に農耕を教えた。それによって人々は農耕と牧畜を営むようになった。
  10. 「太陽神カルー」を崇め、農耕に勤しむ人々は集落を作り、自らをカルーの血脈に連なる者「カルナビア」と呼ぶようになった

侵略者の登場~結末

  1. あるとき「カルナビア」となった地に、東方から侵略者がやってくる。「悪鬼フー族」が、カルナビアの地を奪い取ろうと攻め入ったのだ。
  2. フー族の勇将「ボー・クーン」は、フー族の兵と共にカルナビアの地に侵入する。千の兵を率いる「ボー・クーン」は、「フー族の王ヴールー」の王命により動いていた。
  3. フー族の……――
  4. ――飽きた。ごめん。

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 まあ、こういう感じです。なんか、それっぽい「ファンタジー感」が出てますよね? 

 なぜ「太陽は戦車」なのか、そして「太陽は死に、復活するのか」といったことは、今は「だいたい神話はそういう風になっているんだ」と理解しておいてください。

 上の架空神話を丸パクリ、ってのはちょっと困りますが話の流れや展開などは丸パクリしてくれてokですが、神様の名前は変えてくださいね~、是非ともこの「カルー神話」を参考にして、あなたも架空神話の創作にトライしてみてください!

おわりに。

Flat Pablo sleeping

 この記事を書き上げるのに、丸三日が掛かりました。疲れた……疲れすぎて文章も滅茶苦茶かも。後日、再度内容を見直すと思います。

 ですけども、この架空神話「カルー神話」は1日で作り上げられた話なのですよ。なんか長ったらしくタラタラとここまで書き連ねてきましたけども、やろうと思えばそんぐらいの時間で作れるものなんです、架空神話なんて(凝ろうとさえ思わなければ、ですが)。

 今回は「あさ~い比較神話学」の観点から、ざっくりとした架空神話の作り方を紹介しましたが。もっと凝ったもの、こだわったものを創りたいという方は、より深く比較神話学について学んでみたり、世界史をやり直してみたり、あとオカルト史を覗いてみたりするといいと思います。より文学的な表現にこだわりたい方は、象徴主義の分野に手を出してみると、面白い発見があるかもしれませんよ。

 ってなわけで、おしまいです。架空神話づくり、皆さんも楽しんでね~。


2021/12/08 追記

 第一版では「カルナ神話」となっていましたが、それだとマハーバーラタと重複が発生してしまうため、名称を改めました。