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架空言語よりも混迷を極める「らどうぃんぐりっしゅ」の編み編み作業

https://azaraneko.tumblr.com/post/718417963125981184/azaraneko-sealcat-ep-5-part-2-previous

(二コマ目の架空言語セリフは「あざらし:助けて、リシュ!」「お狐リシュ公:お前、マジでバカだ」という内容である)

 やっとこさ詰まってきた「あざらねこ」の設定。

 ep5では一端エコーから離れてラドウィグを挿むことにより、本編のカオスな世界と漫画の接続が完了したかなーっと感じてます(ep5, part2は特に説明が多くてゴチャゴチャしてるね、それはごめん)。

 で、英語版「あざらねこ」だけど。ラドウィグの台詞は誤字じゃないです。あの暗号文と化した台詞はわざとです。

オーストラリア英語? わかんねぇ!!

 ラドウィグっつーキャラクターには「それなりにヒドいオーストラリア訛り+ズボらゆえの音素ショートカット+シアル語由来の発音のクセ+礼儀知らずの舐め腐った精神性(※以下、これらの特性をまとめて『らどうぃんぐりっしゅ』と称す)」という属性がある。

 とはいえ、普段小説の中では『日本語で』彼のセリフを書いているので、今までは特に気にしたことはなかった。だって日本語の小説だもん、英語で書いてたわけじゃない。だから彼の言葉は「っす体」をベースに、首都圏方言を混ぜながら「洗練されてない都会っ子のきったねぇ方言」みたいなものを作り出すことで、それっぽい雰囲気を出していた。

 小説だけを書いてた時はそれで良かったんだけど。あざらねこという漫画を気まぐれで描き始めたことで、問題にぶち当たった。あざらねこ、それは英語版も同時並行でupしているからだ。

 ここで初めて「ラドウィグの英語のセリフを書かなければいけない」工程にぶち当たった。のだが、あてくし英語はちゃんと学んだわけじゃない(英語もその他もすべて独学)うえに、オーストラリア英語なんて分からん

 わからん!!!!!!!

 そもそも「アルストグラン」シリーズの舞台にオーストラリア大陸を選んだのは「大陸としては小さいながらも、温帯・亜熱帯・熱帯・熱帯雨林帯・乾燥帯と気候風土の欲張りセットを決めてるうえに、密林もあって湿地もあって、おまけに雪も降るし、いわば地球の縮図みたいな特異な地形だから」という理由からで、別にオーストラリアに何か特別な思い入れがあるからというわけではなかった

 オーストラリアの好きなものなんて、ティムタムぐらいしかないし、いうなりゃそれしか知らないぐらいだもん(偶に食べたくなる、あのゲロ甘いチョコレート。なお決して美味しくはない)。オーストラリアに行きたいと思ったことすらない(そもそも海外旅行なんて行ったこともないし、それどころか国内旅行にすら行けねぇぐらいのひもじい家だった)。となればオーストラリアの独特な英語を学ぼうだなんて気を起こしたことも無かった

 そう。本当に、本ッッッッ当にオーストラリア英語が分からない。

 そして困ったので、インターネット上のツールの力を借りることにした。これである

 ただ、これはジョークの意味合いが強いツールであり、素人目に見ても「いや、誇張、すげぇ」って感じるので、出力結果のアレンジは不可避。とはいえこいつにめちゃくちゃ助けられてる。

 そして、らどうぃんぐりっしゅコネコネ過程についてだけど。試しに、小説内に登場するラドウィグのセリフ「……いや、完全に思ってました。なんで分かったんすか?」を「らどうぃんぐりっしゅ」に変えてみよう。

 ざっくり英訳すると「No, ...Yes, I certainly thought so now. How did you know that?」みたいになると思う。んで、これを上記トランスレーターに投入。すると……

No,...Bloody oath, i certayynly thought so now. Howdya know that? Fahkin' too right, mate.

 誇張がすごい。FワードにBloodyが好きすぎる結果が出てくる。英語圏の人が抱くイマジナリーオーストラリア人ってこんな感じなんだね。ステレオタイプの有様がひでぇや。

 んで、このままじゃアレなのでマイルドに変換し、かつ「らどうぃんぐりっしゅ」風なアクセントを加えると、こんな感じに。

No, ...ye, I certaynly though' so naw. Howdya knoh that?

 う~ん、暗号文。自分で作っておきながら言うのもアレだけど、こんな文章を出された日にゃ読み解けなくて目玉が吹っ飛びそう。

 しかし気分がノッてきたのでもういっちょ。らどうぃんぐりっしゅ、行ってみよう。

This wahld is too unbalanced.
It'd be nice if unhappiness 'n 'appiness weah powhd a' equally on everyone, 'n if roles weah shahd equally.
Don' ya think it's too biased?

以下、自分向けの備考

  • シアル語に/ɚ/の音は無い。なのでラドウィグは無自覚的に/ə̆/に置き換えているだろう。
    • 強調したいときは/əx/または/əː/と発音。
  • 二重母音は「めんどい」から、正しく発音されないパターン大。
    • /eɪ/ → 基本そのまま、きまぐれで /eː/
      • 「eight」→ 「eigh'」「eegh'」
    • /aɪ/ → 基本そのまま
    • /ɔɪ/ → 基本そのまま
    • /aʊ/ → /ă/、きまぐれで /aː/ or /ax/
      • 「out」 → 「a'」
    • /əʊ/ → /ŏ/, きまぐれで /əː/ or /əx/
      • 「flow」 → 「flo'」または「floh」
    • /oʊ/ → /ŏ/, きまぐれで /ɔː/ or /ox/
      • 「know」 → 「kno'」または「knoh」
    • /ɪə/ → 基本そのまま、きまぐれで/ɪː/ or /ɪx/
      • 「deer」 → 「diah」
    • /ɪa/ → 基本そのまま
    • /eə/ → 基本そのまま、きまぐれで/eː/
      • 「hair」 → 「hee」
    • /aə/ → /aː/
    • /ɔə/ → /ˈɔː/ または /ˈɔx/
        • 「or」 → 「oh」
    • /ʊə/ → /ʊː/、きまぐれでそのまま
      • 「pure」 → 「pjuu」
  • 語末の/t/と/g/は高確率で消失する。
  • 語末の/s/と/d/はかなり強調される。
  • 「to /tuː/ 」は「t' /t/ 」としか言わない。
  • 「-ly」で終わる副詞の場合、lyの部分は/lĭ/になるパターンが多い。