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たまには好きなものについての話をしよう。

 最高に気分が滅入って何もやる気が起きないとき。よく聴くのがこの曲「Slipper limpet」、およびこの曲が収録されているアルバム「Beat Glorious Heart」。

 このアルバムのおかげでオートハープが欲しくなり、買ってしまったという意味でも思い出深い。オートハープは「Tenth January」「Save my heart」等の曲で使用されているので聴いてみてほしい。柔らかな響きを帯びた金属音が堪らんのです。

 そして表題曲「Slipper limpet」は、お気に入りの曲を挙げろと言われたらおそらく真っ先に出てくるぐらい好き。本当に大好き。正直なことを言うと歌詞の意味はよく分からない(雰囲気しか分からない)けれど、柔らかい音と広々とした雰囲気に包まれるとホッと安心する。

 あと、この曲のおかげで「Slipper limpet=ネコゼフネガイ」という可愛い生き物を知れたことも嬉しかった。小説の中で出しちゃうぐらいには、ネコゼフネガイのこと大好きになったもの。

 ネコゼフネガイ、本当にスリッパみたいでフォルムが可愛いし、コロコロ小っちゃくて可愛いし、たくさんのネコゼフネガイが積み重なってる姿も可愛らしいし、その生態がとても愛おしく感じられる。いつか本物を見てみたいし食べてみたいね。

From Wikimedia Commons, Muiltje

 そんなこんなで、この曲を見つけたキッカケは「Youtubeのオススメ」だった。ブラウザだと右上にピョコンと出てくるアレ。

 いつもならペイガンメタルや民族楽器の動画、またはボリウッドのBGMとかの表示率が高いのだけど、そこに異色な(※自分のオススメ欄にとっては)動画が紛れ込んでいて、なんだろうと気になって聴きに行ったら……――その曲「Slipper limpet」に惚れてしまい、その勢いでアルバムを購入したという経緯がある。

 そしてウキウキしながら購入をしたその直後、このバンドはとっくの昔に解散していたと知って愕然とした(が、バンドを組んでいた二人はそれぞれ別の形で現在も音楽活動を続けておられると知り、ホッとした)。

Snowy Mountain氏の音作りが本当に好きです。冗談抜きに、マジで大好き。
刺々しくヘヴィーな音と、軽妙に広がる空気を巧みに使い分け、融合させているサウンドや、
浮遊感溢れる夢kawaii世界にちょっとの毒々しい要素が見え隠れするところが唯一無二なのです。
いや、本当にあなたがシンセサイザーの神様ですか?

Simpson氏はフリューゲルホルン奏者としてAndrew Wasylykさんのアルバムに参加なされたり等しているそう。
他にも、Dundeeのほうでアート活動をされているとのこと(あぁ、遥か遠きスコットランド。いつか行ってみたい)。
それにコロナ禍真っ只中のときにはチャリティー活動をされていたりとで、生き様がカッコイイなと憧れます……。


 それから数カ月が経過してから、たまたま調べものしてた最中に「なぜこの曲をYoutubeが勧めてきたのか」の理由が判明し、そのオススメの根拠となった出所が何であったのかを理解したけど。まあ、それはそれとして脇に置いといて……。

 このアルバムもといバンドと出会ってから、軽い気持ちでやってる趣味でしかなかった「作曲」をちょっと真面目にやってみるようになった。自分なりの表現とか、もっと模索して作ってみたいなって感じられたのだ。

 模索というか、うーん。音楽もやってみたいなという好奇心を貰ったというんですかね。今まで自分が聴いてきた音楽の中にありそうで無かった「温かみのある響きとサイケな空気感が融合した雰囲気」に、静かな衝撃を受けた。

 洗練された雰囲気にこだわるあまり空虚化したJ-popには存在しない音だし、アメリカのビルボード・ランキングに載っている商業主義の塊のような曲の中にもない音だし。くさい言い方になるけど、魂の部分をガッチリ掴まれ、「そうか、こういうものが好きだったんだ!」っていう天啓を受けた感じっすかね。目標とすべきものが見つかって、音楽のやる気が湧いてきた。そんなとこ。

 そうして試行錯誤を繰り返しながら、作ってみた曲が「Into the twilight」の最初のバージョンでした。

 これぐらいの頃から「文芸もイラストもやってる時点で十分に欲張りだけど、音楽もやりてぇや!3足のわらじ履いたって別に良いよね!」と思い始め、作曲も独学ながら学び出したのですが。それぐらいのときに、またも衝撃を受ける出会いが訪れる。

 Snowy Mountain氏がMax Erle氏と組んでおられるバンド「Prince Vaseline」。そのアルバム「The World of Leaf Moon」が、脳天にズギャアアアアアアアンと突き刺さった

 四人だったバンドが脱退によって二人になり、二人体制になってから初めて出したアルバムがこの「The World of Leaf Moon」とのことですが(アルバムの説明文にそう書いてあった)。初めて聞いた曲に感激のあまりガッツポーズを決めるという謎行動をしたのは、これが最初で最後かも。

 それまで聴いたことがない系統の曲が揃っていたのだけど、でも恐ろしいほどその全てが大好きだと思えた。このアルバム、外れの曲がひとつもないの。全部大好き。

 エッジの強いシンセと図太いギター、透明感溢れる歌声と大地を震わせるぐらい低い歌声のコラボ。好き。好き以外の言葉が要らないぐらい好き。唯一無二すぎてもう大好き。好きすぎて語彙力が低下するぐらいには好き。紹介するにしても形容する言葉が好きすぎて思いつかないので、とりあえず「聴いてよ!!!!」としか言えることがない。聴いてよ。

 ちなみにこのアルバムの1曲目「Duty Calling」は、どうしても世の人に合わせて朝型生活をしなければならない日の目覚まし時計の曲として設定してある。じわじわと曲が始まり、図太いギターの一発目「ズ……ギュアアアアアアアアアン!!」と来るタイミングでスッキリ目覚められるので、とても気に入ってるぜ(以前はNier automata OSTの「遺サレタ場所 / 斜光」を目覚ましソングにしてたけど、J'Nique Nicole氏の歌声があまりにも心地良すぎて『曲を最後まで聞く』→『スヌーズしてまた寝る』→『また曲を最後まで聞く』のループが発生してたので、やめた。心地良い目覚ましは良くない)

 あと、Prince Vaselineでもうひとつ良く聴いてる曲がある。それが↓これ。

 ここ最近は無意味なことでイライラカリカリしていたし、Prince Vaselineのサウンドに癒しを貰ってる。ネガティブな感情にはヘヴィーなサウンドと少しの毒をぶつけて紛らわすと、丁度いい具合に薄まるんだ。

 本当に、ここ数日は考える余地すら与えてくれないようなぎゅうぎゅう詰めの重厚なサウンドに救われてる……。