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「Ⅰ:チュールン大陸の支配者、カツオ帝国の偉大なる皇帝、誉れ高きキジトラ猫チロケンティウス22世の生涯について」
お題Ⅰ
「チュールン大陸の半分を支配するカツオ帝国の偉大なる皇帝、誉れ高きキジトラ猫チロケンティウス22世の一生」という設定で小説を書いてください
AIの回答
チュールン大陸には、多くの国々が存在していた。その中でも最も強大な国として知られていたのがカツオ帝国である。その帝国を支配するのは、キジトラ猫のチロケンティウス22世であった。
チロケンティウス22世は、幼少期から優れた才能を持ち、その天性のリーダーシップで帝国を支配していた。彼は知恵と勇気に満ちた指導者であり、彼の名前は全大陸で知れ渡っていた。
彼が即位した当初、帝国は内乱と外敵に苦しんでいた。しかし、彼の努力と指導の下、帝国は徐々に繁栄を取り戻し、チュールン大陸の半分を支配するに至った。
チロケンティウス22世は、人々に愛され、尊敬されていた。彼は自らも謙虚であり、慈善事業にも積極的に取り組んでいた。また、彼は自らも軍事教育を受け、戦場でも勇敢に立ち向かった。
しかし、彼の一生は常に平穏ではなかった。彼は多くの陰謀に遭い、暗殺者に狙われることもあった。しかし、彼はその度に冷静に対処し、帝国を守り抜いた。
彼の治世下で、帝国は文化と芸術の発展を遂げた。彼は多くの芸術家や学者たちを保護し、彼らに自由な研究や制作の場を提供した。その結果、カツオ帝国は、文化的にも豊かな国となった。
彼は老境に入る頃、自らの後継者を見つけることができなかった。しかし、彼は帝国の未来を考え、自らの死後に帝国を守り続ける者を選び、彼を後継者とした。
彼の死後、カツオ帝国は引き続き繁栄を続け、彼の名前は後世にも語り継がれた。彼の一生は、多くの人々にとって、模範となるものであり、彼が残した遺産は、多くの人々にとって永遠に記憶されることだろう。
「Ⅱ:カツオ帝国の凋落とササミ神国の勃興、及びゾンビ化して蘇った誉れ高きキジトラ猫チロケンティウス22世」
お題Ⅱ
チロケンティウス22世の崩御から222年後、カツオ帝国は突如、ササミ神国からの侵略を受け、ササミ神国の属州となります。
カツオ帝国の公語であったカツブシ語は禁止され、ササミ神国の公語であったトリササ語を使用するようにとの公布が民衆になされました。そして偉大なる皇帝チロケンティウス22世の伝説を語り継ぐことは禁止され、カツオ帝国の栄光はササミ神国に蹂躙されていきます。
しかしササミ神国の悪逆非道はそれだけに留まりません。ササミ神国は旧カツオ帝国領の民から食料、財産、果ては土地までも略奪していく始末。民の生活は荒れ果て、旧カツオ帝国領には粗悪な麻薬、チャオチューが蔓延し、堕落する民が増え、社会問題と化しました。
このままでは、偉大なるカツオ帝国の栄光が鰹節くずとなって消えてしまう。ーー誰もがそう危ぶんだとき、カツオ帝国皇帝霊廟で異変が起きました。なんと、帝国の末裔らの現状を憐れんだチロケンティウス22世が生ける屍となって現世に舞い戻ってきたのです。
チロケンティウス22世は墓から這い出し、民の前に現れます。
AIの回答
彼は驚異的な能力を持っていました。生前の記憶や知識をそのまま引き継ぎ、過去と現在を自由に行き来することができるのです。彼はササミ神国に対抗するため、旧カツオ帝国領の民たちを結集させ、自由を取り戻すための戦いを始めました。
彼はカツブシ語を復興させ、トリササ語を排除することで、旧カツオ帝国領の民たちに希望を与えました。また、彼は自らの知識や経験を用いて、国土の再建を進めていきました。麻薬やチャオチューの売買を禁止し、教育や医療などの社会福祉を整備することで、旧カツオ帝国領の民たちの生活を改善していったのです。
彼の指導の下、旧カツオ帝国領の民たちは勇気を取り戻し、ササミ神国に対する戦いに挑んでいきました。チロケンティウス22世は自らも戦いに参加し、その驚異的な力を発揮して、ササミ神国軍を撃退することに成功しました。
そしてついに、カツオ帝国の栄光が取り戻されました。チロケンティウス22世は、自らの再来という奇跡的な出来事を通じて、旧カツオ帝国領の民たちに希望を与え、彼らを導き、カツオ帝国の栄光を再び蘇らせたのです。
総評
まず、我が妹から得られた感想は「いや、人間の出したお題が一番怖いって!」だった。ササミの国の所業、それを思いつく感性が一番狂気じみてるとのこと。言えてる。
しかし。ササミの国からのゾンビ皇帝の流れで、よもやハッピーエンドに持っていくとは。恐れ入った。自分だったら間違いなく以下の展開にします:
***
「しかし蘇った皇帝を覚えている者は誰ひとりおりませんでした。墓から這い出た”怪物”を恐れた民衆は、怪物を討伐することを決意します。民衆はチロケンティス22世を捕縛すると、彼を火炙りに――」
……からの↓
「偉大なる名君チロケンティウス22世の物語が蘇ったのは、実はほんの少し前のことです。彼の伝説は土埃の下で風化し、覚えている者は誰ひとりとしておりませんでした。カツオ帝国の末裔たちとて例外ではありません。しかし最新の発掘調査により~」
(JJに出てきた架空小説「草原の狼」はこのようなカタチを取っています)
***
ところがどっこい。AIの回答はハッピーエンドです。でも「偉大なる皇帝チロケンティウス22世の伝説を語り継ぐことは禁止され~」というくだりはどこに行ってしまったんでしょうね。AIくん、肝要な部分をぶっ飛ばしてないかい?
あと、AIの回答は「墓から蘇ったチロケンティス22世を、民衆は指導者として迎え入れた」テイになっていますが。これって現実的だとは言えませんよね。仮にチロケンティウス22世のことを覚えている者が居たとしても、昔の皇帝が舞い戻ってきたからってそれを民衆が即座に有難がるかといえば、そりゃ違うだろうと。
もし仮に、それと似たようなことが現実で起きたのだとしたら。何かしら騒ぎは起こるはず。一致団結して、なんてことは絶対にありえない。大昔の人間であるプラトンも、こう言っている。「人間というガワを被った動物」「情欲や狂暴性を隠し持ち、それを制御できない者が普通の人間である」と。人間、利己的なのがデフォルトなのだ。
善良ゆえに何もしない連中に紛れて、馬鹿なことをするやつ、トンチキを言い張るやつ、混乱に乗じて下剋上を狙うやつ、どさくさに紛れて漁夫の利を得ようとするやつは絶対に出てくる。AIにはそれらを鑑みる知性と見識がやっぱり備わっていない。
ちなみに、幾つかのシナリオをAIに描かせてみた中のひとつに「神様が愚かな人類に怒りを覚え、人類を滅ぼす架空の物語」というものがあったのですが。これが厄介でした。
AIは頑なに「人類は、民衆は、愚かじゃないです!そんなヒドいこと言わないでください!」と言い張るし、そして人類が神の怒りを買った理由は「地球環境を破壊したから」とそのような設定を渡していないにも関わらず勝手に定義するし、そのうえ「人類は神の啓示から気付きを得て改心し、神もその様子を見て粛清を取りやめることにしました」というハッピーエンドに無理矢理持っていこうとする。
これに関しては、とても政治的な偏向を感じます。それでありながらもAIは「私は機械、持論はありません」という責任の放棄のようなことを言う。ノーム・チョムスキーがchatGPTを「凡庸な悪」と評した理由が分かります。
そんなこんなでAIの回答についてですが。面白みはないなというのが正直な感想である。無難で面白くないハリウッド映画にありそうなプロットになっちゃったね。これが好みかと言えば、率直に言うと――そうではない。
全体的に、意外性がないんだよなー。王道のシナリオを継ぎ接ぎしているという印象。端的に言って面白くない。人工無脳、とはよく言ったもんですね。chatGPTはその予測能力が進化しただけで、実質的な知能は獲得していないので、全く新しい新たなものは作りだせないのだ。
それから、個人的に「これは頂けないな」と感じたところがある。それは「トリササ語を排除」というところ。これは現実的には無理があるだろう。「カツブシ語の復興」までは実現できたとしても、それを公用語と出来るかは話が違ってくる。
アイルランドとかもさ。一時はゲール語を禁止されて、英語を話すよう強制されてた時代があったわけだけど。その禁も解かれて久しい現在、ゲール語話者が復活したかっつーとそうでもなく(好き好んでゲール語を勉強してるからこそ思うけど、あんな面倒くさくてまどろっこしい言語、日常使いには不向きだとしか思えない。英語のほうが圧倒的に簡単よ)。結局、今も暫定的な公用語は英語なわけだし。
古代エジプトのヒエログリフだって、コプト語・コプト文字の普及に伴い使い手が絶滅し、それと共にあれが「音素文字だ」という認識が失われて以降、再度「解読」に至るまでには2000年以上の時を待たなければならなかったわけだし。
一度消えた/消えかけた言語をよみがえらせるって、無理ゲーも同然なんすわ。だから「カツブシ語が限定的用途で復活」は分かるが、「トリササ語を排除してカツブシ語が完全復活」なんてことは絶対にあり得ない。禁じられてから日が浅いならともかく、ある程度の時間が経ってりゃほぼほぼ無理だろう。
詰めが甘いな、というのが総評になるかな。詰めが甘いし、クリエティヴィティは感じられない。継ぎはぎで作られた、どこかで聞いた覚えのある英雄譚ってな感じでしょうかね。
うーむ、見返せば見返すほどつまらないなと感じる。無難なものを量産するにはこれでいいのかもしれないけど、一点物のシナリオって考えると、クオリティはあまり良くないです。