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【Part.3 - 仕上げ】約80個もの顔グラを同時並行で色塗りして仕上げる様子について、同時並行で記事を書いていく。

 前回の記事は↑これで、前回は↓ここまで進んだ。

 今回は仕上げのターンに入るぜ。ラストスパート!!

4日目

 まず影を格納するフォルダーを「アクセサリー」フォルダーの上かつ「線画」レイヤーの下に作る。フォルダーをクリッピング設定したあと、フォルダーの合成モードを乗算・100%にする。

 全体の構成はこうなる。

 次に「影」フォルダーの中に合成モードを乗算・100%のレイヤーを作り、白で全体を塗りつぶす。そして灰色で、全体の印影を描きこんでいく。前回までの「ニュアンス程度の影」でなく「光源を意識したハッキリとした影」を入れていきます。

 自分の場合、ライティングはこのツールとか参考にしながらやってます

 んで、使用色を無彩色にしたのには理由がある。あとでグラデーションマップで色付けするからだ。この時点で下手に色を付けると、仕上がりのコントロールが難しくなる。ので、無彩色で影付けをしていくのですっ。

 ……が、作業の途中で偏頭痛の前触れが襲来したので今日はここまで。

 最近気付いたことだけど、偏頭痛の前に妙な前兆があるみたいでして。片目だけ見え方が変になるんだよね。

 目に来る前兆って言っても閃輝暗点とかではなく、片側の視界の一部だけが白飛びして見えにくくなって、ついでに斜視みたいな感じで視界の中央部分がダブって見えるようになり、普段にも増して奥行きが分からなくなるというものでね。あと、視界が変になってるほうの目の奥がアイスピックでガンガンやられるかのように痛くなるというオマケつき。ゲロ吐きそうな気持ち悪さが来る。

 とはいえ偏頭痛が抜けると、なにもなかったかのように普段通りに戻るんだよね。今まで「目の奥の痛み」はPC作業で眼圧があがったせいだと思ってたんだけど、偏頭痛が来る前日にこの症状が来ていたことに最近になって気付いた。

 いや、それとも眼圧上昇に伴って偏頭痛が来ているのか? うーん……分かんない! まあ、今日はここいらで作業を切り上げて休みます。

5日目

 偏頭痛きた。やっぱり。でもゲロ吐くほどひどいやつでなく、「全力キックで飛んできたサッカーボールを顔面に喰らった。その翌朝の痛み(左側の蟀谷部分だけ、そんな感じの痛みが来てる」程度で、痛いっちゃあ痛いけども耐えられるレベルだったので。なので昨日の続きをやっていく。

 ↑これを乗算で適用すると↓こうなる。

シスルウッドの「雰囲気だけイケメンで、そのものはそうでもない」感が出てきた

 縮小していてもハッキリと分かるくらい印象が変わった。さて、この工程だけで10時間も使ってしまったぞ!!

 んで、次やるのは影にグラデーションマップを適用する工程。

 グラデーションマップの詳細についてはこの記事を読んでもらうとして、まあつまり色を置き換える機能であり↓みたいなことができるやつである。左の白黒画像がオリジナル、右側のぼんやり色づいたものがグラデーションマップ適用後のものです。

←オリジナル|グラデーションマップ適用後→

 で、グラデーションマップを適用したレイヤー(が入ったフォルダー)の合成モードを変えて、たとえば乗算とかにしてみると、こんな風に仕上がる。

←グラデーションマップを適用したレイヤー|そのレイヤーの合成モードを乗算に変更した結果→

 こんな感じで、グラデーションマップを使えば色味を温かくできたり寒々しくできたり、ド派手に変えられたりする。

 で、ここからグラデーションマップの色味や濃度・不透明度を調整したり、グラデーションマップを適用する白黒レイヤーのほうをグラデーションマップの結果に合わせてテコ入れしたり、なんだりを繰り返して、こうなる。

 キャラの分類別にグラデーションマップを分けたりして、ごちゃごちゃ弄って、まあ↑のような感じになりました。レイヤー構成は下記の通りです。

 お次にやるのは灰色の影入れ。通常・不透明度75%のレイヤーを作ったら、灰色でボヤンと入れていく。言葉ではうまく説明できないので画像を見て頂けると話が早い。

 きもち、ちょっとだけ変わってる。本当に、少しだけ。別にこの手間は省いても良いんだけど、ここまでやっちまったんなら細かいとこも詰めていきましょうやってことで足した。

 ちょっと雰囲気が整ったかな。

 そして次、全体のハイライトを追加。かっ飛ばしていく。加算(発光)モードのフォルダーを作って、その中に黒で塗りつぶしたレイヤーを作る。で、そこにハイライトを足していく。黒で先に塗りつぶすのは、そのほうがハイライトのコントロールがしやすいから。

 このような感じで、躊躇することなくガツンとハイライトを入れていく。

 ハイライトおわりっ!! そして目にライトを入れたり、全体の色味を調整してフィニッシュ!!

 終わりいいいいィィィヤッホオオオォォイッ!!!!!!

 あとはキャラを個別に描き出して、サイト更新するだけです。ここまでの道のり、長かったぜぃ。

 というわけで、顔グラ製作記事は終了です。お付き合いいただきありがとうございました。

おまけ

 今日(※4日目のこと)の暴君チロルは猫生で初めての「ベランダ閉め出し事件」に遭遇し、パニックを起こしてました。どうやらベランダにある猫草のプランターに悪さをしようとしたらしい。

 まさかチロルがベランダに出ているとは思わず(飼い主と同じ引きこもりキャットなので)、普通に出入口を閉めちゃってて。んで、出入口を閉めてから5分ぐらいが経過したころに突然、ベランダのほうから「ドーン!バァーンッ!」とドアにタックルを決めるような轟音がして驚き、ベランダを見に行ったら「中に入れなさいよ!!」とばかりに大絶叫するチロルちゃんの姿が出入口の真ん前にあって更に驚いた(入室を許可したあと、肉球ウェットティッシュで拭き拭きの刑に処した)。

 その後チロルはベランダから最も離れた部屋である下僕の作業部屋に逃げ込み、ソファーベッドの隅っこに縮こまっていじけてましたね。そのため今日は椅子を取られずに済みました。

追記:2023-04-05

 サイトの「主要人物一覧」ページも更新が終わり、作業は終わった。ただひとつ、残念だったのは「ジリアン・マクドネル」を使わなかったこと。

 一番左上隅にいる赤毛のひと、一番最初に線画を書き上げたジリアンさん。結局、使わなかったなぁ。

 というのもジリアンの登場シーンはごくわずかだから。初出の「ヒューマンエラー」では最後で少しだけ言及があるだけ。当人は「DT//S」で登場するけど、でも最終章で一瞬だけ出る程度。続きには今のところ出てくる予定はない(JJで出せたらいいなと思ってるけども、たぶん蛇足になるから書いたとこで消すだろうなぁ)。そんな人をわざわざ載せる必要があるか??と思ったので……。ジリアンを載せるぐらいなら、彼女よりも出番がある脇役を載せようと判断するに至った。というわけでジリアンの代わりに、彼女より出番がある端役かつ名前が決まっている人物である「ブラス・オルティス」「アリン・ラスティング」を挿入した次第である。

 ん~、ジリアンさん。彼女は思い入れのあるお気に入りキャラクターではあるんだけど、重要人物ではないからなぁ。無念である。

この曲はジリアンさんがモチーフである。

 まあ、それは措いといて。今回の顔グラ制作では初めてヴィジュアルが定義されたキャラが多かったです。また、一部キャラは髪型とか顔とかがちょい変わりました。

 新たにヴィジュアルが定義されたキャラクターたちは、線画を描く段階で地味に苦戦してました。漠然とイメージがあって、その細部を詰めていくだけのキャラは楽で良かったんですけど(イルモやリチャード先生は元々イメージがあったので書きやすかった)。問題はイメージすらなかったキャラですね。特に「ジェームズ・“ジム”・ランドール」。彼はまったく「容姿」のイメージが無かったキャラだった。

 何もないところから”印象”を絞り出すのが、ね。大変だった。リー・ダルトン、ザカリー・レターというキャラクターも同様に大変だった。

 んで、一番イメージが変わったなーって思うキャラは、主人公の片棒を担いでるニールかも。ニールって元は「野暮ったくて垢抜けてない男」という印象が強かったし、従来の顔グラはそんな感じなんだけれど。ちょい前にアクシデントでかっこよく描いてしまったことがあり、良くも悪くもその時に出来た「わりとカッコいい風なパパ(ただし、透けて見える頼りなさ」のイメージが定着してしまった。

 それから、デリック。この記事(の挿絵)を書いてた時はまだ以前のイメージのデリック像(J・C・ライエンデッカーが書いてそうな「イイ男」のようなイメージ)だったんだけど、今回の顔グラ制作で大きく変えた。新デリックは猿っぽい顔になったね。水兵のようなセーラー服が似合いそう。個人的にはすごく嫌いな顔だ。

 で、他のキャラたちだけど。概ね、今までの中で一番「頭の中にあるイメージ像」に近いやつを書けたかなって気がしてる。化粧濃くて目付きも悪いアレックスとか。究極の撫で肩×既製品スーツで、肩のラインが崩れてるアーサーの感じとか。影はちょっと濃くしすぎたかな~っていう後悔もあるけど、過去の顔グラたち、雑に書いてきたそれらと比べたら圧倒的に今回のが出来は良いなって感じてます。

 強いて言うなら、バーニーかな。蝋人形っぽい雰囲気をもっと出せればよかったんだが……影色を冷たいやつにしておくべきだったか。そこがちょっと残念だったかも。